7対1の配置基準になったことによる影響

知っておこう!看護師の配置基準
手厚い看護の「7対1」

手厚い看護の「7対1」

2006年に行われた診療報酬改定は、結果として看護師の働き方に大きな影響を与えることになりました。看護師という仕事は長時間労働となるケースが多く、心身共に消耗の激しい仕事であるがゆえに離職率の高い職種です。その中で看護師の配置基準として定められた7対1制度とはどのようなものなのでしょうか。

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看護師の配置基準

患者7人に対して看護師を1人配置しなければならないという配置基準が2006年の診療報酬改定の中で定められました。看護師の人員を十分に確保できている病院にとっては多くの患者を受け入れることができるというメリットがある反面、以前から看護師不足に悩んでいた病院にとっては患者の受け入れに制限をかけざるを得ない状況になってしまいます。7対1の配置基準を満たしていなくても患者を受け入れることはできるのですが、人数比率が15対1より低くなってしまうと診療報酬が大幅にカットされてしまうため、無理やり受け入れたとしても厳しい状況となってしまうのです。人員配置だけではなく、医療費が3%以上のマイナスとなり1兆円規模の予算削減が実施されたため、新たに国が設けた基準をクリアできない病院にとっては大きなダメージを受ける結果となりました。
なお、診療報酬は現在の日本の状況に応じて適正な医療が提供できるように定期的に見直しが行われています。

診療報酬は医療の進歩や世の中の経済状況とかけ離れないよう通常2年に一度改定(見直し)されます。厚生労働大臣は政府が決めた改定率を基に中医協※に意見を求め、中医協が個々の医療サービスの内容を審議し、その結果に基づいて、同大臣が決めた公の価格です。

引用元「日本医師会-なるほど診療報酬!」

診療報酬改定について詳しくはこちら
日本医師会ホームページ

こちらは日本医師会が運営しているサイトで、このページでは診療報酬についてイラスト付きでわかりやすく解説しています。

病院への影響

この診療報酬改定が行われた際に、充実した医療の提供というメリットだけではなく、デメリットの面も大きく取り上げられました。この配置基準の本来の目的は、看護師の厳しい労働環境を改善することです。そのため配置基準を満たしている病院には多くの診療報酬が与えられることになりました。しかし、配置基準を満たしていない病院は当然低い点数しか与えられないことになるので、病院が得られる収入が大幅に減ったことに加え看護師の人数も足りていないという二重の苦労を味わうことになってしまったのです。
傾向としては、大都市にある規模の大きい病院は収入がアップして、地方にある中小規模の病院は収入がダウンしました。経営難の病院は患者の受け入れ人数を減らし、病院そのものの規模縮小をするしかなく、最悪の場合は倒産してしまうこともあります。
参考として、診療報酬改定について詳しく紹介しているサイトを紹介します。

診療報酬改定について詳しくはこちら
厚生労働省ホームページ

こちらは厚生労働省のサイトで、診療報酬改定に係る経緯や改定の概要など詳しい資料が公開されています。

職場を選ぶときの参考に

このように、看護師の労働環境を改善し手厚い看護の提供を可能にする7対1の配置基準ですが、すべての病院が同じ状況というわけではないので、転職をする場合はしっかりと応募先の病院について調べておく必要があります。

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